うつ病・病気症状・原因

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- うつ病という病気の症状と原因 -

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     うつ病という病気と症状


     全国で百万人くらいいるといわれるうつ病ですが、うつ病という病気と類似の憂鬱状態もあります。身体症状の

     多いほど、うつ病という病気の有病率は高いという調査もあり、原因不明の症状が続いている場合はうつ病とい

     う病気を疑い、受診することが大切です。うつ病という病気の場合は、憂鬱状態と同様の問診結果が出ても、原

     因を掘り下げて調べる必要があり、心理的な自覚症状の前にめまいや、吐き気、腰痛などの体の痛みが出てく

     る事もあります。


     
* 主なうつ病の症状例(これ以外にも症状は多様にあります)

   心の症状    身体症状  * NK細胞について(コラム)
NK細胞活性が一部のうつ病症状の指標になる可能性があるという研究発表がありました。「うつ病の患者さんはナチュラルキラー細胞の数が減りその活性も低下している」という内容のものです。
うつうつとした気分 不眠
不安 食欲が無い
自分を責める だるい、疲れやすい
やる気が出ない 性欲の減退
集中力が無い 体の痛み
決断が出来ない 便秘や下痢 日本うつ病学会で発表されました。


     
* 不眠のタイプと睡眠薬;不眠のタイプには入眠障害・中途覚醒・早期覚醒などのタイプがあります。一方で睡

     眠薬には 超短時間型・短時間型・中間型・長時間型があります。 「睡眠障害の対応と治療のガイドライン」によ

     りますと入眠障害は超短時間型や短時間型を、 中途覚醒や早期覚醒には中間型や長時間型が推奨されてお

     ります。睡眠薬はどのタイプでも、服用後15〜30分で効果が発現しますので、何れのタイプでもすぐに就眠で

     きる準備を整えてからの服用が薦められております。



     
* 不眠;不眠はうつ病の代表的症状ですが、不眠からうつ病に移行する場合もあります。実際問題、不眠を自

     覚する高齢者や高齢者以外の人も、 うつ病に罹患する割合は、良く眠れる人の2〜3倍とされております。不

     眠がうつ病を発症させる機序は分かりませんが、 「@うつ病になり易い人は、発病する前に不眠を起こし易い

     素因があるA不眠そのもののが何らかのメカニズムでうつ病の危険因子になる」と考えられております。不眠

     の故に寝酒や市販睡眠改善薬に頼る人がいますが、不眠が続く様な状況では専門医に受診する事が大切で

     す。飲酒による他の肝機能障害や不眠の悪化からうつ病の誘因となる事もあるからです。あくまでも市販睡眠

     改善薬は 短期間の不眠治療を目的とするものです。 長期使用では 効果の低下や副作用も問題になります。

     目安として不眠が3回/週・1ヶ月継続の場合には専門医に受診してください。


     
* 母親とうつ;英国で約8万7千世帯の大規模調査では、 「子供が12歳に達するまでに 母親の3人に1人以

     上、父親でも5人に1人がうつ病と診断されたり、 抗うつ剤を飲んだりした」という調査結果を発表しました。チ

     ームによりますと「子育てに伴う睡眠時間の減少や、 親としての重責、夫婦関係の変化などがそれに関係し

     ているのではないか」と指摘しております。


     
うつ病という病気の種類


     思春期と初老期に多いといわれるうつ病(高齢者の場合は認知症と誤解され易い)ですが、一つの分類として

     は身体や、脳の器質的病気の影響が強い身体因性うつ病、ストレスや葛藤による心因性うつ病、脳の機能障

     害によると思われるが原因がまだ分からない内因性うつ病にわけられます。(by キールホルツ)



      * 日光浴;うつ病のタイプには比較的知られているものとして、メランコリー型うつ病(不眠や倦怠感などの症

     状が出現するもの)と双極性うつ病(躁状態とうつ状態の波がある)があります。 その他にも非定型うつ病など

     どちらにも当てはまらないタイプや季節性気分障害(冬場などその時期にのみ顕著に出現するもの)などもあ

     ります。冬場などは日照時間が短く、(季節性気分障害の場合)症状が悪化し易い事が知られています。その

     原因は明確に分かっていませんが、神経ホルモンのバランスが崩れる為と考える学者もいる。また、太陽光を

     浴びる事で生成するはずのビタミンDが不足する事もその一因と指摘しています。「光とうつ病は深い関係にあ

     る事も知られています。 特に朝の光を1時間程浴びる事が薦められている。 それは、室内でも良く、それが生

     活リズムを立て直す為の良い方法です。」と述べられています。





     
うつ病という病気の症状、うつ状態


     うつ状態とは感情の抑うつ、興味や意欲の低下・無気力、自責感、睡眠障害、食欲低下、体重減少などの一群

     の病気症状をしめす状態のことです。強い罪悪感にとらわれ自殺を考えたり、集中力の欠如、妄想などの精神

     症状、便秘、胃腸症状などの身体症状が加わる事もあります。

     脳内のセロトニン、ノルアドレナリン、アセチルコリンなどの神経伝達物質の働きが低下しているという側面

     もあり、その機能を高める抗鬱剤も開発されています。




     
初老期のうつ状態


     初老期のうつ状態では、対人関係、経済的問題、孤独、身体の弱体化など多くの心理、社会的因子が関係して

     いることが多く、また脳の小さな血管障害、脳の萎縮などが関わっている場合もあります。核家族化の進行が生

     活不安などを生み出し、その病気の要因になっているかも知れません。





◎こちらに掲載させて頂いておりました以下のうつ病関連追加情報は整理ポストに移動させて頂いております。
*薬・休息・環境調整*葉酸とうつ病*うつ病と神経伝達物質*うつ病と痛み*うつ病と頭痛・痛み*不安と不眠*男性更年期とうつ*うつ病と黒い犬*睡眠薬*男性更年期とうつ病*うつ病診断*ストレス *カフェインと鬱 *季節性うつとセルフケア *栄養の偏りとうつ *【ゆっくり】の意識 *うつ病と便秘 *産後うつ病 *


     
* オランザピン;抗精神病薬オランザピン(商品名ジプレキサ)が2012年2月に双極性障害(躁鬱病)の鬱

     症状を改善する薬として承認されました。 オランザピンは統合失調症薬として2001年から広く使用されて

     おり、2010年には双極性障害の躁症状改善薬として承認されています。従い、オランザピンは躁と鬱の両

     症状に使用可能となりました。 双極性障害の診断は難しく、鬱病と診断されてから10年以上経過してから

     判明するケースも珍しくはありません。欧米でオランザピンは別の抗鬱薬との合剤で使用されており、単一

     の薬剤で使用できるのは日本が初めてとなります。 副作用は血糖値が上昇するなど重大なものもある為、

     使用に際しては十分な注意が必要になります。




     * セロトニンとトリプトファン;セロトニンが欠乏しますと鬱やパニック障害を起こし易くなります。セロトニンは

     人の情緒を安定させます。そして、このセロトニンはエストロゲンが枯渇してくる更年期に心が不安定になる

     事にも影響しています。(エストロゲンとセロトニンは深く関わっております。) また、几帳面な人や神経質な

     人は、セロトニンが低下し、免疫力が落ち易いとされます。十分な休息や、余暇を楽しんで心身をリフレッシ

     ュする事はとても大切です。 セロトニンは大脳を覚醒させ、集中力を高め、気分をすっきりさせます。 セロト

     ニンは卵・牛乳・肉や豆腐などに含まれています。 そして、良質な睡眠や、太陽光を浴びる、軽い運動をす

     る事により、メラトニンも分泌されます。 メラトニンもトリプトファンから作られます。




     
* うつ病と合併症;現代の多くの生活習慣病や慢性疾患、癌などの病気と、うつ病が合併している事が多い。

     「例えば、 糖尿病を合併している人は約15%いるとの報告もあります。 うつ病の合併と血糖コントロールの

     関係を調べても、 うつ病の人は 血糖値が悪い人が多い」と紹介しています。 他の疾患を合併している場合、

     双方同時に治療する必要があります。 また、うつ病は単一の原因ではなく、典型的なメランコリー型や、季

     節性、血管性、非定型、双極性障害、神経疾患など様々なものがあります。現代は、若い人がうつ病になり

     易い時代となり、 うつ病の概念も広がり、鑑別は非常に困難になっています。 実際、年々、うつ病の受診率

     はあがっており、 50歳代、60歳代に最も多かったものが、若い世代に増加している特徴が確認されていま

     す。






     
うつ病関連検査値・基準値

     血清マグネシウム


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-病気の原因 -


 発病原因ははっきり分かっていませんが、別の分類として

 は、外的要因が無く発病する内因性のうつ病と、ストレス

 などが引き金になって発病する外因反応性のうつ病があり

 ます。

 社会環境により、性格的にうつ病になりやすい因子をもっ

 ている人が、職場の責任や強いストレスに晒され病気を発

 症する事も多い様です。


 うつ病という病気の発症年齢は一般に20代後半から30

 代にかけて見られるようになります。


 40代後半以降に起こるうつ病もあり初老期うつ病といい

 ます。仕事熱心、完全主義、几帳面、執着心、強い責任感

 などの性格の人が人間関係や仕事上の失敗などをきっかけ

 に発病するケースがよくあります。




        
- 病気の治療とアルコール -


 病気治療は薬物療法が主体です。精神的、肉体的にも充分

 に休養をとることも大切です。又、アルコールを飲んで気

 分を休めたいと思う向きもあると考えれますが、うつ病と

 いう病気を治癒する効果はありませんし、睡眠を浅くし、

 抗うつ薬との併用は問題です。うつ病という病気が治るま

 では、辛くてもアルコールを控えましょう。

 
 ビタミン、ミネラル、アミノ酸は病気の予防、精神的・感情的なバランスを保つためには重要な栄養素ですが個人差が

 あり、その人のライフスタイルや食生活、喫煙、飲酒、薬の服用、ストレス、職場環境・・・などで必要量は異なります。

 食生活、生活様式などを良く検証してビタミン、ミネラルの必要量の知識を持つ事も必要です。(RDA;リコメンデ

 ィッド・ダイエタリー・アロウワンス→微量栄養素の一日の最低必要量)必要な栄養素は毎日40種類以上必要といわ

 れ、それらの栄養素をバランスよく摂る事が、健康状態を大きく左右します。


     - うつ病は家族の理解が治癒に影響 -


 家族がどの様に理解し接するかは病気治癒に大きく影響
 します。軽症のうつ病で外来通院の場合でも、早期に治
 るのは、家族の理解、思いやりなどのためです。

 うつ病という病気は回りの人も注意深く接して重症化し
 ない様に配慮することができます。

 罹病している人は食欲は無く、辛い日々を送られていま
 すが、食べ物にも配慮できます。脳内のセロトニンは、
 トリプトファンという成分から造られますが、このトリ
 プトファンは野菜には無く、卵、牛乳、肉などに含まれ
 ています。トリプトファンを合成するには原料が必要で
 すし、促進するためには、日差しを浴びる、良く眠る、
 糖分が必要です。そのためには明るいところに出る事や
 、デザートなどで糖分を補給するとかの工夫ができます
 ね。

 その方の事情にあわせて、適切に援助する事も可能かも
 知れません。

 
           
- 家族の接し方 -


 弱気な発言や愚痴にも反発や否定をせずむしろ共感する

 態度で、よく聞いてあげましょう。


 頑張れ、しっかりは本人を責め、逆効果でしょう。


 原因が、仕事上の事であるなら殊更ですが、本人に知ら

 れずに仕事の負担や責任の軽減が出来れば、効果的かも

 知れませんし、休養を進める事も大切かもしれません。


 日常生活で、それとなく気晴らしの散歩や運動・趣味に

 誘う事もできますし食事に注意をして、偏らない事や、

 動物性食品への配慮、デザートを進める事なども出来る

 かも知れません。(上記セロトニン参照。)


 一人にさせないで付き添い、必ず治る事を優しい気持ち

 で伝えるなどその方に合わせた、思いやり深い態度で接

 しましょう。


 家族の方にも同時に、癒しや安らぎ、気分転換も必要に

 なるでしょうね。


 * 男性の更年期障害;男性の更年期障害は、男性ホルモンが血液1ml当り8、5pg(ピコは1/一兆)以下になりますと、心身両面で症

 状が発現してきます。 (男性ホルモンは加齢により徐々に低下してきます。)その症状はうつ病に類似しているため、うつ病と間違えら

 れ易い傾向にあります。 男性にも更年期障害があり、症状を自覚された場合には、うつ病と決め付けずに泌尿器科などで受診する事

 も必要です。うつ病と診断されていて一向に改善しない場合なども、泌尿器科に受診する事が必要なケースもあります。「更年期症状

 としては @気分が落ち込むAいらいらするB不安感があるC疲れ易いD汗をかきやすいE火照るF頭が重いGよく眠れないH後頭

 部が凝るI集中力が低下するJ性欲が減退するK朝の勃起が無くなる」などです。





うつ病 追加情報整理ポスト
*薬・休息・環境調整 加齢による神経伝達物質(脳内ホルモン)の活性低下も高齢者にうつ病の比率が高くなる理由とも考えられておりますが、ストレスに対する抵抗力も高齢になるほど低下します。さらに大切なもの(財産、健康、仕事、地位、住環境など)を喪失する場合にも、その体験がしばしばうつ病の引き金になることも指摘されております。治療の三本柱は薬・休息・環境調整です。
*葉酸とうつ病 国立国際医療センターの研究結果ではビタミンBの一種葉酸の血中濃度の低下がうつ症状を招く可能性があると報告しております。葉酸は野菜やレバーなどに多く含まれる栄養素です。

妊娠初期に不足すれば、胎児の神経障害の発生率が高いことは知られております。不足することにより、神経伝達物質が減り、体内にホモシステイン(アミノ酸の代謝に関わる)がたまり、血管や神経が傷つけられる結果を引き起こし、これがうつ病などとの関連があると指摘しています。

被験者530人の葉酸の血中濃度、ホモシステインの血中濃度を調査し、葉酸の血中濃度の場合にはうつ症状と明らかな相関関係を認め、ホモシステインの場合には葉酸ほどではないが、その傾向は認められております。従いまして、断定までは出来ないものの、葉酸不足がうつになりやすい状態を作っているのではないかとしております。これは「食事でうつを予防できる可能性があるということを示す」と報告しています。葉酸不足とうつの因果関係についてさらに追求する方針であると述べられております。
*うつ病と神経伝達物質 神経伝達物質は臓器などの器官の働きを調節するホルモンの一種です。代表的なものは、ストレス対抗ホルモンとされ、カテコールアミンと総称されております。アドレナリンやノルアドレナリン、ドーパミンなどがあり、癒しのホルモンとされるのはセロトニンです。このセロトニンが減少しますとうつ状態を呈し、枯渇するとうつ病を引き起こすとされております。

笑いの効用はよく話題に上りますが、ドーパミンやセロトニンは、この笑いにより脳や身体が活性化すると考えられるのに伴い、増加している事が(少ないデータではありますが、)確認されております。これは、笑う事により活性化と癒しが同時に起こるのではないかと、考える向きがあります。交感神経と副交感神経がうまくバランスし心身は健康に保てるのだとしています。

因みにドーパミンは交感神経系のホルモンであり、セロトニンは副交感神経系のホルモンです。脳を活性化するドーパミンが減少しますとパーキンソン病になってしまいます。
*うつ病と痛み うつ病の60%の方に頭痛などの身体の痛みを自覚しています。痛みの種類では、頭痛約34%、背中の痛みが約25%、 胃腸・消化器系約16%、 身体全体の漠然とした痛み約26%となっており、仕事を休業した日数の平均は、 一年間で107日に及ぶという報告があります。

うつ病に伴って、脳内の神経伝達系が正常に働かなくなり、痛みの感覚を増幅させている可能性があるとし、「鎮痛剤の投与で痛みが改善すると、うつ病自体も治る確率が2倍に増加した」 という海外報告もあります。

問題なのは、医師の3割しか、痛みを伴う事を知らない (痛みの症状を訴える患者さんがうつ病を抱えている可能性を、一般の医師は知らないし、精神科医もうつ病患者さんが痛みで苦しんでいるという事に思い至らない)という調査結果があります。患者さんも痛みの治療を求める事は重要です。
*うつ病と頭痛と痛み 慢性型の頭痛を抱えておられる患者さんの中には、 心の病に悩む方がいらっしゃいます。実際、慢性頭痛の患者さんの3割以上がうつ病や、 強い不安感を併発しているという調査も報告されております。

高齢者の緊張型頭痛の多くはうつ病が原因であるという指摘もあります。 頭痛をはじめとする慢性的な痛みに関係すると考えられているのが「反応性」と呼ばれるタイプであり、「ストレスに反応して不安感やうつ状態が強く出た結果、痛みを感じ易くさせる」としています。

(ご参考;うつや不安感には様々な症状がありますが、臨床の現場では 夫々の症状にあった分類に従って治療を行っており、代表的な分類方法として一般的なものには、 世界保健機構(WHO)が死因や疾病の国際的な統計基準として「ICD」や米精神医学会が作成し「DSM」などがあり、世界中の医師がこれらの基準に従って診断しています。)
*不安と不眠 「不安はストレスに対して過敏に反応している状態」と表現している資料もあります。不安は不眠を招く原因でもあります。その場合、セロトニンなどの脳内物質が減少し、頭痛などの痛みを以前よりも感じ易くなり、痛みは慢性化し、うつ状態になると説明しています。この様な場合では、頭痛薬だけでは効果は期待できず、心理療法や、脳内物質の量を回復させる薬の服用が大切になります。
*男性更年期とうつ 疲れ易い、いらいらする、胸が痛い、痩せて来た、などのちょっとした心身の症状は、放置すると更年期障害やうつ、不安障害に進展する危険性があるため、注意する必要があります。気になる症状が有る場合には、放置せずに受診を含めたケアを考慮する事も大切です。
*うつ病と黒い犬 文字が少なく深刻さをユーモアで上手に和らげている絵本が紹介されています。絵本のタイトルは「ぼくのなかの黒い犬」著者はマシュー・ジョンストン、オーストラリア在住のイラストレーターで、彼は20代半ばでうつ病に気付き、特有の辛さ、生活への影響、対処法など軽快するまでの約20年の経験を基に解説している。病気をシンボル化した黒い犬が特徴です。一人で悩んでいる人に、家族や友人がさりげなく手渡してもらえたらと紹介者が言っております。2010年には「わたしとあなたと、黒い犬」も刊行され、うつ病の見分け方や、口にしてはいけない言葉、ありがちな誤解などを具体的に紹介している。 1冊目は入門書とすれば、2冊目は実用書でしょうと紹介しています。 著者マシュー・ジョンストンは 「あなたや知人が黒い犬を連れているとしても、絶対にあきらめないで」「犬は必ずしつける事ができます」と説いております。
*睡眠薬 先進国では成人の5人に1人、日本では20人に1人が睡眠薬を服用しているという調査報告があります。 睡眠薬の服用にあたっては、患者さんからの聞き取り以外にも、ライフレコーダーなどでどの様に眠れないのかの就寝中の睡眠状態の把握をし、必要に応じ睡眠薬の処方を変える、抑うつ状態が見つかれば、抗うつ薬を加えるなどが必要になります。高血圧や睡眠時無呼吸症候群などの明確な原因疾患が見つからない場合には注意が必要です。うつ病の患者さんの求めに応じて、安易に睡眠薬を処方し続け、うつ病の状態を悪化させてしまった症例もあります。 「眠れない」には 「入眠障害/寝つきが悪い」「中途覚醒/夜中に何度も目が覚める」「早朝覚醒/朝早く目が覚めて眠れなくなる」などがあり、薬を効かせるべき時間帯が異なります。また、作用も 「持ち越し効果/起床後も薬の作用が続く」「筋弛緩作用/夜中に起きると身体がふらつく」などがあり、自覚しおく必要があります。
*男性更年期とうつ病 男性の労働・生活環境が厳しく変遷している現代では、中高年の患者さんの大半が不定愁訴を訴えます。 診療科に受診しても症状は改善せず、精神的に追い詰められています。うつへの経過には、イライラが不安・緊張に変わり、身体症状として不眠、(入眠障害、途中覚醒、早朝覚醒)や頭痛、発汗、口の渇き、肩凝り、頻尿などが現れます。アルコール依存にも注意が必要になります。うつのサインとして注意したいのは、「@最近元気が無いA会話が無くなったB休日もボーっとしている事が多いC食欲が落ちているD夜も眠れていないEこれらの症状が2週間以上続いている」 身体症状はその人がもともと抱えるウィークポイントに出易いとしています。 受診をする場合には夫婦同伴が基本で、 何はともあれまず受診が大切と指摘しております。妻が事前に医師に相談するのも、一つの手です。

うつ状態の夫に接する場合は、「うつ状態では思考力、情報処理能力が落ちる為、@混乱を避けて安心感を高めてA一度の会話は内容を一つに絞るBあいまいな表現は避けて明確にC出来た事に目をむける」事が大切としております。聞き方のポイント 「@頑張れ、大丈夫などの表現を出来るだけ避けるA相づちやうなずきで共感的な聞き方を心がけるB会話は夫婦が互いに用事のないときを選ぶC1時間を目安に時間制限を設ける」事を進めております。
*うつ病診断 東京大病院精神神経科では、光トポグラフィーを利用し、脳を傷付けずにうつ病の診断を行う「こころの検査入院プログラム」を始めました。 「入院期間は4日間程度で、光トポグラフィー検査やカウンセリングを実施し、双極性障害や統合失調症、うつ病を判別し、治療方針の手がかりを提供する。」というものです。「診断には主治医の紹介状が必要」としています。
*ストレス ストレスが脳に障害を与える事が分かってきています。 近年では 生きたまま脳機能の測定が可能となり、脳の病気と合わせて診断ができる。(これまでは身体と脳の関係は動物実験でしか確認できなかった。)脳の健康外来に来院する症状で多いのは頭痛・物忘れです。

ストレスで物忘れするメカニズムは、ストレスホルモンが分泌され、記憶を司る脳の海馬の機能を低下・萎縮させる為に学習障害が発生する。画像診断などの検査をして、 脳腫瘍などの重大な疾患が見つからなければ、 これらの約半分は精神安定剤や鎮痛剤などを投与する事で概ね改善します。 しかし、残り半分は失業などの環境が変わらない為に、通院し続ける事になり、カウンセリングが大切になります。ストレスはうつや認知症などの大きな要因であり、脳と身体を上手に休ませる必要があります。

脳を休ませる為に、 「適度な運動など、『やり終えて楽しかった』『すっきりした』と思えるものなら何でも良い」と薦められております。適度な運動は認知症にも、効果が有る事も分かってきていると紹介されています。 ストレス反応は身体の防御反応で逃げるか、戦うか、身構えている状態とされ、 運動などでそれを解消させる事が大切です。
* カフェインと鬱 脳内のセロトニン取り込みを阻害し、憂鬱な気持ちや落ち込んでいる気分を和らげる薬としてマレイン酸フルボキサミン(商品名デプロメース、ルボックス)が処方される事があります。この薬は通常うつ病・鬱状態・強迫性障害・社会不安障害の治療に用いられます。この薬とコーヒー(コーヒーに含まれるカフェインはCYP1A2で代謝される)が一緒になると カフェインの代謝が遅くなり、 体内にいつまでもカフェインが残っている状態になります。 これがカフェインの作用を強力にし、頭痛・不眠・焦燥感・強心作用による頻脈などの原因になると考えられております。コーヒーやカフェインを含む飲み物は、気を付ける必要があります。
* 季節性うつとセルフケア 憂鬱感や意欲の喪失などが2週間以上続くとうつ病と診断されますが、「できれば1週間程度の段階でセルフケアを心がけ、 周囲と相談したり、医療機関を受診した方が状況の悪化を食い止め、早期に回復する確率が高くなる」と精神神経科の某教授は紹介しています。

セルフケアは十分な休養(心身の疲労を回復させ、十分にリラックスする)と、 うつ病に導く様な考え方に気を付ける事(自分の責任を過度に追及したり、過剰なマイナス評価に陥っていたりしないかを普段から気をつける)だと助言されています。 但し、この様なセルフケアはあくまで、予防や早期段階での対処であり、それでも憂鬱感などが永く続いたら、速やかに専門医の診察を受けて欲しいと助言しています。
* 栄養の偏りとうつ 偏った栄養を摂り続けるとうつ傾向を招く事があります。東日本大震災などでも被災者は大変な非難生活を送られております。この様な非常事態では、特に配慮が必要になります。のみならず、日常生活の中でも不足しがちなビタミンやミネラルなどは意識して、偏りの無い栄養摂取に心がける必要があります。

偏った栄養摂取を続ける事で心が鬱滞して、鬱傾向を招きます。必須栄養素は、糖質・蛋白質・脂質の3大栄養素と、 ビタミン・ミネラルを合わせた5大栄養素です。 ビタミン・ミネラルは3大栄養素の働きを助け、免疫系や内分泌系・神経系の円滑な機能を維持するほか、 すべての生命代謝にも関与する重要成分です。 そ して、このビタミン・ミネラルは不安定で、保存し難い特性があり、調理でも壊れやすい。不足しますと、イライラしたり、ストレスにも弱くなります。 ビタミンB群やビタミンCは水溶性で摂取し難く、代謝も早い為、こまめに食事から摂取する必要があります。食事からどうしても摂り難い場合には、栄養補助食品も一時的に考慮しても良いかもしれません。
* 【ゆっくり】の意識 健康は自律神経のバランスで決まる。自律神経は体の危機管理システムであり、副交感神経がその鍵を握る。自律神経をコントロールできればその影響は素晴らしく大きい。

例えば「パニック症候群の人は交感神経が絶対的優位であり、うつ病の人や疲れている人も自律神経のバランスを見ると分かる」としています。「体の調子の良い時は交感神経・副交感神経のバランスが高いレベルで、均等に活動している時」とし、逆に「自律神経のバランスが悪い時は何かにつけ物事がうまく行かない。自律神経の調節が出来るとメンタル面はちゃんと付いてくる。」としています。

それではどうすれば良いのかというと「自律神経のバランスを意識的に整えると良い」と紹介しており、それには【ゆっくり】の意識がポイントとしています。「即ち、『@ゆっくり呼吸するAゆっくり動くBゆっくり生きる』 事こそが下がり気味の副交感神経の活動レベルを上げ、律神経のバランスは整い始める」としています。また、腸は第2の脳と言われるほど重要であり、腸内環境悪いと、自律神経の乱れに繋がる。便秘は腸内環境を整える事で9割方治ると某教授は述べています。
* うつ病と便秘 うつ病は脳のみならず、腸神経も大きく関与すると考えられております。抗うつ剤を服用するとその副作用で便秘になり易い事が知られておりますが、 それは大腸の神経細胞(腸神経)が関係している証左であるとする考え方も紹介されています。

また、うつ状態が続くと自律神経系に影響を与え、腸管の運動も低下させます。それが排便障害を悪化させる悪循環を招きます。腸神経は腸管に食べ物が入ってきた時に、食べ物侵入の情報を腸全体に伝達しますが、 その伝達にセロトニンが関与しています。 腸内のセロトニンの分泌を促す食品として納豆・ヨーグルト・バナナ・チーズなどが紹介されています。

腸内セロトニンと脳内セロトニンの関係は明らかではありませんが、排便障害が解消され、毎日の快便が約束されれば、大きな悩みの一つから開放される事は確かです。 (食欲の低下は、食物繊維の摂取量の減少につながり、排便量を低下させます。便秘解消の為にも、栄養バランスに配慮し、偏食や飲酒を避ける事、生活リズムと朝の日光浴、規則正しい食生活などを心がけ、出来る事をあせらず一つづつこなしてゆきましょう)
* 産後うつ病 こちらは少し領域が若い女性に傾斜しますが、 ご参考にご紹介させて頂いております。それも、精神的に不安定な妊婦は増加傾向があり、 10人に1人が産後うつを経験するとあった為です。妊娠中の女性は内向的・消極的になり、過度の心配・受容的傾向も強まるとされます。産休直前まで仕事に専念し、妊娠に集中できず、短期間でどの様に準備するか戸惑う。

そして出産後は気持ちが不安定・涙もろい・集中力低下が確認される。産後うつ病の症状には波があり、自ら気付きにくく、うつが疑われても子育て支援センターや新生児訪問でのカウンセリング・家族や友人との会話で帰結する事が殆どであるとしています。

産後数日に起きるマタニティブルーズは母親の30%が経験し、産後4週以内に発症する産後うつ病は10人に1人が罹るとされています。周囲は女性にとって身近な問題である事の認識が欲しいとしています。(地域によっては退院前に母親が助産師や 看護師と共に出産を客観的に振り返るバースレビューなどから、出産した事の達成感や喜びを自分のものとして再認識する大切さを自覚する機会を設ける取り組みもあります。)



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